フィツカラルド

映画 フィツカラルド - allcinema

1982 西ドイツ/ペルー 157分

昔観たけど観なおしてみた。

時たまインパクトの強い絵面が出て来るのだが、そこはとても良い。

クラウス・キンスキーの存在感も良い。

トーリー等はわけがわからず全く面白くない。

ヘルツオークの映画ってヘルツオークがこういう画がとりたいというものを撮るために撮ったでけで他はおまけで撮ったような感じがする。理屈も全部後付けで。

実話を元にしたようだが、実際には船を分解して移動しやすくして山を越えたようだ。

☆去年、渋谷アップリンクでヘルツオーク特集をやってたらしい。

船が山を越える!意志によって不可能を可能にする映画監督・ヘルツォーク傑作選|『フィツカラルド』『アギーレ』『小人の饗宴』など8作を渋谷アップリンクで一挙上映 - 骰子の眼 - webDICE

柳下毅一郎氏の解説コピペ

「未知の場所を知る興奮こそが最初にある」
柳下毅一郎さん(映画評論家・特殊翻訳家)『フィツカラルド』を語る

これは船が山を登る映画です。ヘルツォークにとっては船が山を登ったように見えるかどうかが問題ではなくて、実際に船が山を登ることが大事で、そういう意味ではとてもドキュメンタリー的なのです。フィツカラルドには実際のモデルがいます。19世紀にカルロス・フィツカラルドというゴム王がアマゾンの奥地にオペラを持ってきた。フィツカラルドは実際に船で山を越したのだそうです。ただしこちらはそんなに変な人ではないので、船をちゃんと分解して運んだらしい。

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この映画を作るのは実際、船が山を登るくらい大変な仕事でした。当初はジェースン・ロバーツが「フィツカラルド」役でした。3~4割撮ったところで、ロバーツが病気になってドクターストップがかかり、撮影がストップ。共演者にミック・ジャガーがいたのですが、撮影が伸びたので、ローリング・ストーンズのレコーディングがあり、下りてしまった。そこからお金を集め直して、結局クラウス・キンスキーになったわけです。

雨季に撮影する予定だったのが、騒動のせいで、乾季になってしまった。乾季は水かさが減るので、山を越す距離が増えてしまう。さらにその年は60年ぶりの大渇水ということで船のスクリューが水面から出てしまって、そのたびに座礁して撮影が中止になる。そこまでしてヘルツォークは何を証明したかったのか。船が山を越えると言うのはこの映画の中ではメタファーです。映画の中で何度となく言われるのですが、意志によって不可能を可能にする。不可能な夢を叶える。それが船が山を越えることなのだ。ヘルツォークは船が山を越えるのは意志の力によってなんだと言っています。意志の力を証明する。そのために敢えて闘っている。

ヘルツォークはドキュメンタリーをいくつも撮っています。冒険のための冒険ではなく、未知の場所に分け入っていく、未知の場所を知る興奮こそが最初にあるわけです。ヘルツォークは人が知らない世界でこれまで誰も経験したことない感情を見出す。それを映画として表現しようとするわけです。あくまでも感情の表現であって、事実の提出じゃないんですね。だからヘルツォークのドキュメンタリーには演出が入るんです。

誰も触れたことのない世界に行って、映画をゼロから立ち上げようとしているんだと思います。世界と一対一で対峙する存在になろうとしている。ヘルツォークは、質問だけがあって答えは与えられなくていいんじゃないか。何も知らないまま巨大な謎に直面する。それこそが感動させられる瞬間なんじゃないか、と言っている。だから、今日の話はみんな忘れて、白紙の状態で船が山に登る映画を見てくださいね!

(2012年11月9日 東京ドイツ文化センターにて)