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無垢の祈り

TOP of 映画「無垢の祈り」ホームページ Innocent Prayer-homepage

2015年製作 日本 85分 R18+

36点。

昨日、渋谷アップリンクトークショー付きの回をネット予約した最前列の左端の席で見た。最前列だけキャンプで使うような寝椅子のような感じの席であまり座り心地は良くない。ほぼ満席だったようだが、となりの席は空いていて良かった。

原作の端折り改変や意味不明なシーン等いろいろあり。原作のラストにあるファンタジー感が無く、その部分だけはリアルな感じに演出されていた。しかしその分、「無垢の祈り」というタイトルの意味が無くなったように思う。

人形【フミの木偶&人形遣い(ホムペにはそう記載されていた)。綾乃テンという独特の舞踏パフォーマンスをやっている人が作り演じているらしい。この人形が不気味でとても良く出来ていたと思う】を使った演出は初めは違和感があったが見てるうちに、この映画に合っているように思えた(ヨウツベでこの監督の過去作予告編を見たら綾乃テンが過去作にも出ていた。プライベートで撮ったような街頭で不思議な舞踏を演じているところの動画などもあった)。

この国の幼児虐待問題は、福祉も法律もとても貧しく遅れていて、真っ先に改善すべき大問題だと言っても過言ではない状況だと思う。

わざわざ映画にしたのだから、多少はそういう社会的なメッセージを含ませても良かったのではないかと思った。わざわざ原作者に刑事を演じさせるようなどうでもいいシーン入れるよりそのほうがずっと映画にした意義があったような気がする。(このシーンはとてもわかりにくく原作読んでなかったら何者なのかさっぱりわからないのではないだろうか)。

そういうことをこの映画は全部投げちゃっている。原作にある小学校でのいじめなども全く描かれなくて、特殊な家庭の中でしか存在しない特異な出来事のように見える。

自分達とは別世界のホラー映画の中だけで起きていることくらいにしか思えないような感じだ。

後日、実際そのような扱いになっていて地方では「サスペリア」と併映される予定がHPに記載されていた。

オープニングクレジットで、川崎の夜の工場地帯を走る車から撮影したような風景が延々と続き、エイフェックスツイン風の破壊的なアンビエント的な音楽が鳴り響きエンドクレジットでは静かな音になりその風景が逆さまになる。禍々しい非現実感が高まる。

トークショー(上映後、監督の亀井亨、平山夢明、助演のBBゴローが途中参加。30分くらい)の平山氏の話で気が付いたのだが、初めの方で眼帯をしている主人公が殺人鬼役のものとすれ違うシーンは(この時点では殺人鬼が彼であるかどうかは不明なのだが、なんだかわからない肉屋のような格好で血だらけでとても不自然)、これは事後(映画の最後の方で目を突かれたその後の出来事)のことで、閉じられた世界でループ構造になっているところに、この監督の恐ろしさがある、というようなことを平山氏が言ってたのだが、なるほどなあ~と後から思えた(たぶんそういうふうに言ってたと思う)。

トークショー後に質疑応答になり多くの人が挙手してたようにみえたが、時間が無いらしく二人しか受けなかった。

 

※監督=ラストが原作と違うのはどうしてか?というような質問に答えて「わたしのこれまで作ってきた映画のポリシーでは、最後まで主人公を中心に置いた映画にしたいということ。だから最後に殺人鬼が強い印象を残すようにしたくなかった」

小説を読んだときは、バイオレンスジャックのようなものを想像していた。原作と違いラスト以外に、ちらちら出てくるのもキャラを薄めるためか・・?

他の平山作品も昔から映画化したい作品がいっぱいあるらしく、最近は「○○を捨てに」がしたいらしい。

※平山=この映画の出来にはとても満足しているようで、今最も期待している監督だとのこと。人形を使った映画的演出も気に入ってるみたいだ。

他の作品でも映画化のオファーはけっこうたくさんいただくようで、「ダイナー」もそうなのだが、メロドラマのような感じにしたがるのが多くて「ふざけるな(笑)」というような企画が多くうまくいかないらしい。

一番怒りを感じるのが児童虐待で、それはなぜかというと、簡単に悪の連鎖を起こすからだとのこと。大阪で男の子がビニール袋に入れられて殺された事件が起きたとき、また怒りが湧き起こり、昨今の虐待事件で実際に起きたことを全部入れて書いたのが「おばけの子」で、「無垢の祈り」と対をなす作品で、より重い話であるとのこと(帰ってから、どんよりした気分のまま読み直したが、小説の「無垢の祈り」に比べたら確かにずっと重いかもしれない)。

自作を映画化してほしい監督は誰ですか?との質問にたいして、「タランティーノ(笑)」がいいとのこと。

この映画を見終えて人間が怖くなり渋谷の町をあるくのが怖かったとか、なじみの店に寄ってからじゃないと帰れない、などいう人が多いとのこと。

※BBゴロー(よく知らないが稲川淳二の物真似が得意なお笑い芸人らしい)=この役の印象から本当に怖い人に思われるらしく、そんな人ではありませんと笑いをまじえながら否定していたが、顔の印象は、ちょっと伊東四郎的なヌメッとした怖さがあると思う。

■平山氏は動画などで見ていた印象と同じ感じがしたが(作品と対照的過ぎて不思議だ)、思っていた以上にがっちりしているように見えた。

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それにしても日曜だからかなんだか知らないが、久々に行った渋谷は異常にごった返していた。外人も多く(アジア系の方が多いが)道の端に座っているのが多かった。必要にせまられない限り行きたくないところだ。